もう8年ほど前のことになります。
スシロー創業者を叔父に持つ方のセミナーに参加したときの話です。
当時はまだ30代。
たくさんの話の中で「いい話だな」と思った言葉を、なんとなくメモしていました。
そのメモは、今はもう手元にありません。
けれど、不思議なことに——
今でも、鮮明に覚えている言葉がひとつだけあります。
それが、
「安定には、2つの意味がある」
という言葉でした。
「安定」と聞くと、多くの人が
「落ち着いた状態」「生活が安定している」
といったポジティブなイメージを持つと思います。
もちろん、当時の僕もそうでした。
けれど、そのセミナーの講師は続けてこう言ったのです。
「“安定”にはもうひとつの読み方がある。“安く、定まる”とも読めるんです」
……。
そのときは、
「そんな見方もあるんだな」
くらいに受け流していました。
でも、今あらためてこの言葉を思い返すと、その意味の深さを感じます。
自分をさらけ出さず、
目立たず、
みんなと同じ方向を向いて、静かに年を重ねていく——。
素敵な個性を持っているのに、
それを出さずに、人生を終えてしまう。
・周囲の目を気にして
・批判を恐れて
・「自分には無理だ」と決めつけて
・嫌われたくないから行動を控えて
そうやって、自分を“安く”見積もってしまうことって、誰にでもあるんじゃないかと思うのです。
年齢を重ねるごとに「安定」を求める気持ちは強くなっていく。
でも、だからこそ僕は思います。
やりたいことは、何歳になっても全部やってやる。
そんな心意気が、人生をもっと面白くする。
たとえ、身近にそんな人がいなかったとしても、
いまはネットを通じて、世界中の人とつながれる時代です。
少し自分の枠からはみ出してみる。
それだけで、同じように悩んでいる人、
同じように一歩踏み出したいと思っている人に、きっと出会えると思います。
「安定」って、ほんとうに今の自分にとって必要なものだろうか?
あの日のセミナーの言葉が、今の僕にあらためて問いかけてきます。
たしかに、「安定」はいい意味を含む言葉です。
けれど、それにしがみついたままの人生は、本当に満足できるものなのか?
立ち止まって、考え直してみる。
そんなきっかけになれば嬉しいです。
最後に、僕がときどき自分を見直すときに読む、高杉晋作の言葉をご紹介します。
おもしろき こともなき世を おもしろく
今という世界をどう感じるかは、自分次第。
見方を変えれば、退屈な日常も、味わい深いものになる。
「人生、おもしろくないな……」と感じるなら、
本気でやりたいと思うことを、一度やってみませんか?
僕にとっては、それが——
このnoteで、自分の思いを書くことです。

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